歴史を感じさせる大分・湯布院「亀の井別荘」宿泊記

 「湯布院御三家」の一つに数えられる高級旅館。もともとは、別府温泉の観光開発に力を尽くした実業家の油屋熊八あぶらやくまはちが大正時代に築いた別荘だそうです。
 湯布院の歴史とともに歩んできた由緒ある宿ですが、近年のリニューアルで最新の設備とモダンなセンスが投入され、一段とパワーアップしました。

 湯布院の代表的な観光スポットである金鱗湖きんりんこがすぐ近くという絶好のロケーションも、この宿の魅力の一つ。湖で泳ぐ魚のうろこが、夕日に金色に輝いていたことからその名がつけられたという湖で、幻想的な朝霧でも有名だそうです。朝食前に宿の浴衣で湖畔を散策するのもいいし、湯布院の駅から観光辻馬車で巡ることもできます。


 リニューアル間もないとあって清潔感に溢れていて、伝統的な日本家屋の趣を残しながらも、お部屋の畳に床暖房を取り入れるなど最新の設備が投入されていました。


 今回泊まったお部屋には、内風呂と外風呂が両方ありました。このうち外風呂は、夜になるとライトアップされ、ロマンチックな雰囲気に浸ることができました。


 大浴場はガラス張りのドーム型。六角形の屋根を支える大木はオブジェのようで、美術館に紛れ込んだかのような雰囲気でした。昼間なら柔らかい陽光を浴びながら、夜なら星空を眺めながら、かけ流しの温泉を楽しむことができます。


 お風呂に入った後は、お部屋で夕食をいただきました。


 夕食の間に布団が敷かれていました。グレーの掛け布団が最高の肌触りでした。


 江戸末期の造り酒屋を移築したという喫茶室「茶房・天井棧敷」で、ショパンのピアノ曲をBGMにコーヒー・タイム。暖炉や古い蓄音機が置かれ、ソファーには白いカバーがかけられていて、まるで大正ロマンの時代にタイムスリップしたかのようでした。


 油屋熊八は「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」のキャッチフレーズを広めたことでも有名だそうです。そんな別府と湯布院の温泉地としての歩みを、肌で感じることのできる宿でした。

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