明治維新に影響を与えたイギリス外交官アーネスト・サトウが、風景が故郷に似ているからと愛してやまなかった日光・中禅寺湖。 彼の山荘(現在の旧英国大使館別荘)からほど近い湖畔に2020年7月にオープンしたのが、そのイギリスの流れをくむラグジュアリー・ホテル「リッツ・カールトン日光」です。ヨーロッパの城壁を思わせる重厚な石造りの玄関に、ニッポンの釣鐘が飾られていました。 入口からして「和」と「洋」のコラボレーションですね。
本棚に囲まれたロビー・ラウンジには、煙もススも出ない今風のバイオエタノール暖炉。 控えめに揺れる炎が、静かでシックな空間を演出しています。
到着したのは11時半ごろ。12時からロビーラウンジでアフタヌーンティを予約しておりました。 美しい木箱に入ったスコーンに、見た目も美しいスイーツの数々。
ここでも最初にサーブされたのは日本の緑茶でした。 選べる飲み物も、緑茶・ほうじ茶・紅茶など和を意識したものばかり。 ふと窓の外に目をやると、そこには2頭の鹿が。 日光に猿がいることは知っていましたが、大自然に囲まれたロケーションであることを体感できたひとときでした。
SPGの特典を利用して、13時半ごろチェックイン。お部屋はスタンダードながら十分な広さ。
入口に靴を脱ぐための「上がりかまち」が設けてあったのには驚きました。 その脇には、三角形を重ねた「うろこ文様」の間仕切り。ホテル内には、随所に日本家屋のエッセンスが感じられます。
ルームキーは木製。木箱には果物が…。木のぬくもりをフィーチャーした調度品に、思わずほっとします。
男体山が見える屋外のスペースを、このホテルではベランダでもテラスでもなく「縁側ラウンジ」と呼びます。 ここにも「日本」へのこだわりが垣間見えますね。
お水・紅茶コーヒーは無料、冷蔵庫内・ナッツなどは有料。
15時になったところで大浴場へ。大浴場へ向かう廊下もなんだか幻想的…
リッツ・カールトンとしては世界で初めて、天然温泉&スパをしつらえたのもこのホテルの大きな魅力です。
(お写真は楽天トラベル様より) 日光湯元温泉の源泉を引いた大浴場は、照明をうまく使った雰囲気のあるスペース。 露天風呂は硫黄の香りがする乳白色の濁り湯に、ゆったりと浸かることができました。 サウナもありました。
お部屋には、大浴場へ行くための下駄と、着替えなどを入れる巾着が用意されていました。 巾着があまりに素敵なので買おうと思ったら、なんと一つ5万円とのこと…!
脱衣場にはリッツカールトンのアルミ製ペットボトルのミネラルウォーターが置いてあり、 それを持って大浴場・サウナに入ることができるのがよかったです。 こちらは湯上りラウンジ。こちらにもお水が置いてあります。
今回は利用しませんでしたが、ロビー横にあるバーも素敵な雰囲気でした。 壁一面に様々なお酒が飾られています…
翌日の朝食は、日本食レストランで。
レストランに向かうまでの通路がまた素敵…
ダイニングは「和食」「洋食」の2種類で、今回は「洋食」を利用しました。 お味はもちろん最上級ですが、ボリューミーでもありました。 (これでも開店時より量は減ったとのこと) これなら、体格のいい外国人ゲストも、きっと満足できますね。 それと、バイキングのプリンが絶品だったことも付け加えておきたいところです。 パティシエを目指したこともある私は、特にプリンにはうるさいと自認していますが、ここのは本当に満足でした。
日光は国内屈指の紅葉の名所としても知られているだけに、中禅寺湖と男体山をのぞむこのホテルからの眺望は、きっと素晴らしいものでしょう。 いつか、鮮やかに錦織りなす絶景を見に、もう一度訪れたいものです。