名峰くじゅう連山のふもとに広がる竹林に、夢のひとときを提供してくれる極上宿があります。熊本・白川源泉の山荘「竹ふえ」。今やニッポンの代名詞にもなった「おもてなし」の心を、極限まで追求した純和風の宿です。 レンタカーでつづら折りの山道を進むと、突然宿の案内板が現れます。予定より30分も早い到着だったのに、宿のスタッフたちが入口で出迎えてくれました。 ロビーには、宿の雰囲気にマッチした木製の焼酎サーバー。チェックインまでのひととき、飲み比べを楽しみました。個人的には26度の「芋」がおススメです。 今回泊まったお部屋は、入口に大きな水車が回る「竹霧」。なだらかな斜面に配置された全12室の中で、最も高い場所にあります。古民家を思わせる落ち着いた空間に、LEDを埋め込んだ“光る畳”(1枚5万円!)や金ピカの座布団が、見事に溶け込んでいました。 岩風呂の内湯は、加水なしの源泉かけ流し。湯加減はぬるめでしたが、体の芯から温まりました。 驚いたのは、アメニティのシャンプーやボディソープが「ロクシタン」で、持ち帰り用に「エルメス」が置かれていたこと。欧米の高級ホテルでも、なかなかないサービスだと思います。 部屋食のしゃぶしゃぶ料理は最高級牛肉が「食べ放題」。ダイエットの一言は頭の隅に追いやって、一皿だけ「お代わり」しました。 時間制で予約できる貸切露天風呂では、冷蔵庫の飲み物を樽に浮かべて飲むことができます。私がが選んだのは、濃厚で生クリームのような味わいの「山吹色のジャージー牛乳」と「アイスクリーム」。フロートベッドを浮かべ、ゆらゆらとまどろみながら、贅沢な時間を過ごすことができました。 ほかでは出会うことのできない驚きのサービスや仕掛けが、じわじわとトランス状態へと誘ってくれます。芸能人やスポーツ選手が「お忍び」で訪れるのも分かる気がします。 なかなか予約が取れない宿として有名ですが、日帰りの温泉・ランチプランなどの販売もしているようです。 ご興味があれば直接電話で問い合わせるのも手かと…! 後ろ髪を引かれる思いのチェックアウトでは、手土産として特製のバームクーヘンを手渡されました。帰宅後にいただくと、これがまた、全身がとろけるような美味しさ。「夢心地」の余韻を、しばらく楽しむことができました。